実例からヒアリング調査のイメージをつかむ| ヒアリング実践講座 第3回

実例からヒアリング調査のイメージをつかむ| ヒアリング実践講座 第3回

実例「ネコワーキング」

ヒアリングの概要だけだと実際のイメージがつきにくくなるので、具体的な事例を紹介します。

実際に現場を見たりやったりしないとわかりづらいのですが、
口語の実況中継のような形でご覧頂きます。
これは新聞記者の方々が情報共有に行う方法だそうで、その場の雰囲気を共有しやすいです。
普段もよくこの方法でヒアリング内容を共有しております。

ただ、やはりやってみるに越したことはございません。
やはりオススメするのはは実際に見てやってみる事です。
機会を作ってぜひトライしてみて下さい。

ご紹介する調査内容は、私が2011年11月にオープンした協働オフィス
「初代ネコワーキング」を作る時に行ったヒアリングです。
(注 ネコワーキングは現在ございません。
2013年2月に事業譲渡後、譲渡先も現在は事業を停止しております。)

ネコワーキング

私は「組織や職種を超えて働ける場所を作りたい」と思っておりました。
ちょうど「コワーキング」が日本で何店舗か始まった頃だったので、
これを視察させて頂きこの形態を始めようと考えました。

しかしこれをビジネスとして行っていく上で
大きく二つの問題があることがわかりました。

一つはコワーキングというビジネスは始まったばかりで、
上手くいくかは調べにくい状態でした。
競合分析しようにも競合がほぼありません。

もう一つはコワーキングというビジネスは非常に参入障壁が低く、
競合が多発しやすいビジネスでした。

1.新しいビジネスで調べにくい
2.競合が多くなる。
この二つを解決する方法を創るために、ヒアリング調査を行いました。

ヒアリングはまだ明確化していない悩みや、
顕在化していない心情などを調べるが得意です。
これを応用して上の二つの問題を調べる事にしました。

ここからは実際に行われる
ヒアリングの具体的な例を記します。
(過去の事例ですが複数の内容を編集して個人が特定出来ないようにしております。)

ヒアリングの実例

調査者「今日はお時間頂きありがとうございます。
ご連絡した通り今日は【オフィスや働き方】について
ヒアリングをさせて頂きたいです。」

対象者「はい。わかりました。」

調査者「ありがとうございます。始める前の説明ですが、メモを取らせて頂きます。
すでに許可頂いておりますが、それでも記録を残したくないと思ったらいつでも仰って下さい。 後からでも受け付けますので。」

対象者「はい。」

調査者「では始めます。
どんな働き方をしていますか?」

対象者「会社員、、って答えで合ってます?」

調査者「合ってます。いきなり漠とした質問ですみません。
聞きたい内容とズレたりしたらこちらが聞き直しますので
思った通りにお答え下さい。」

対象者「はい。」

調査者「どんなお仕事をされていますか?」

対象者「制作会社のデザイナーです。」

調査者「勤務地はどちらですか?最寄り駅だと?」

対象者「◯◯◯駅です。」

調査者「何をデザインされているのですか?」

対象者「Webサイトが多いです。時々紙も行います。」

調査者「初歩的な質問で恐縮ですが、Webサイトのデザインってどんなことをするのですか?」

対象者「私の場合はディレクションからデザインまでやってしまいます。
お客さんから要望を聞いて、デザインします。
プログラミングや営業などは他のスタッフに任せています。」

調査者「言える範囲で構いませんが、どんなクライアントが多いですか?」

対象者「メーカーさんが多いです。」

調査者「週5日勤務ですか?」

対象者「はい。でも忙しいと多くなることもよくあります。」

調査者「それはなぜですか?」

対象者「納期が迫ってくるとやはり仕事が多くなります。
それと神(=アイデア)が降りてこない時とか。」

調査者「お聞きしていると大変そうですが、ご自身ではどう思っていますか?」

対象者「やっぱり大変なときもありますね。」

調査者「そうした働き方をしていて不満に思うことはありますか?」

対象者「不満ですか??」

調査者「困ったこととか、不都合とかでも構いません。」

対象者「んー、、技術をいつも取り入れるのは大変だなぁ、、
でもそれをしないと仕事出来なくなっちゃう。
あと、8時間勤務もしんどいなぁ。」

調査者「しんどいのはどうしてですか?」

対象者「んー、なんとなく?」

調査者「例えばどんな時にそう思いますか?」

対象者「疲れた時(笑)」

調査者「そうですよねー。最近そうした事ありましたか?」

対象者「あったあった。もう頭パンパンで、、疲労困憊?になっちゃった。」

調査者「ずっと頭使っている仕事だったんですか?」

対象者「そう。難しい課題で大変だったー。
ずーっと考え続けているのに中々上手くいかなくて、
でも〆切も迫ってきて、、バタバタしちゃった。」

調査者「もし仮に、そうした事態の時に願いを叶えてくれる
魔法のランプがあるとするならば、何を望みます?
「こんなものがオフィスにあったらいいのに!」とか、
「あんな働き方したい」とかを一つだけ叶えてくれます。」

対象者「なんだろう、、、、難しい。。。(長考)」

調査者「・・・(黙っている)・・・」

対象者「うーん。頭の良さとか(笑)いや違うなぁ。、、
あー、猫!とか。猫がいたらイイ!」

調査者「猫?!!ですか?(身を乗り出す)」

対象者「そう。猫。」

調査者「オフィスにですか?」

対象者「そう。」

調査者「なぜそう思うのですか?」

対象者「2時間集中した後に、ソファで猫を15分撫でたらもう2時間は頑張れる。
ずーっと集中し続けるのは無理。」

調査者「休めるって感じでしょうか?」

対象者「そうそう」

調査者「そのお昼ごはんとか食事休憩なんかで休めないのですか?」

対象者「あれはあれで休みになるけど、、なんだろうそれとはちょっと違う。。
もう少し軽く休みたい感じ。」

調査者「ナルホド。実際猫がいたら、
先日疲れたような自体になった時に何とかなりそうですか?」

対象者「今より全然良くなると思います。」

調査者「なるほど。ちなみに家に飼うのではダメなんですか?」

対象者「んー、恐らくダメですね。」

調査者「それはどうしてですか?」

対象者「働いている最中に欲しいんですよね。
8時間集中しきれないから。」

調査者「ちなみに猫は何匹ぐらいのイメージでしょうか?
猫カフェ並?」

対象者「いやいやそれじゃ仕事にならないので、
うちならせいぜい一匹二匹です。」

調査者「社員何名ぐらいでしたっけ?」

対象者「十数人です。」

調査者「なるほど。よくわかりました。」

(・・・・中略・・・・)

調査者「私から伺いたい事は以上ですが、
言い残したことやご質問などございませんか?」

対象者「いえ、大丈夫です。色々話せて楽しかったです。」

調査者「そう仰って頂けるのは私も嬉しく思います。
どうもありがとうございました。」

このヒアリングが起点となって、
ネコワーキングのコンセプトが作られました。

このやり取りの中で、色々な技術を使っております。
次回以降は実際にこの事例に沿いながら、
どのような事をしているのか、解説していきます。

技術は学べば後天的に身につくものなので、
ぜひコミュニケーション下手だと諦めること無くトライして頂きたいです。

まとめ

  • ヒアリングを記録に残す場合は雰囲気が感じ取れるよう口語で実況中継のようなメモで行う方法が良い。
  • ヒアリングはまだ存在していない悩みや、顕在化していない心情などを調べるが得意。
  • ヒアリングは技術で向上できる。また技術は後天的に身につけられるものだ。

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