オウンドメディア運営を成功に導く7つのタスク
オウンドメディアを立ち上げたら、ここからがいよいよスタートです。Webサイト全般に言えることですが、公開したら更新をして内容の鮮度を常に保つことが、運営においてとても重要です。
とくにオウンドメディアでは、本サイトへの送客というだけでなく、あなたの会社やサービスのブランディングがなされていく媒体ですので、運営はより重要になります。
今回は、オウンドメディア運営のポイントと展望について、読者のみなさんがこれから独り立ちできるよう、具体的タスクとともに解説します。
運営の基本は更新
オウンドメディアにおいて情報鮮度は、とても重要です。これまで準備してきた指標に注意しながら、日々サイトを更新し、新しい話題やライフスタイルを提案していきたいものです。
それではなぜ更新が重要なのでしょうか。
理由1:信頼性
ユーザーがオウンドメディアに訪れたとき、情報が古いとしたらどう思われるでしょうか。また、リンク切れや画像の抜けがあったとしたら、それはとても残念なことです。一事が万事ともいいますが、オウンドメディアはあなたの会社やサービスそのものです。そこで、古くなった情報を掲載しないよう、修正やチェックを必ずタスクのルーチンに組み込んでください。
タスク1:リンク切れや情報鮮度を毎日チェックしよう
理由2:雰囲気
オウンドメディアを運営するということは、翻ってネタ作りの連続とも言えるでしょう。そもそもコンテンツとして提供できるものが無ければ継続して情報発信することはままならないでしょう。
つまり記事を書くことはもちろんのこと、オウンドメディア運営の本質は「活動」なのです。そして、その活動を報告したり、告知したり、解説したり、啓蒙したりすることで、サイトが活性化しいわゆる「ひとけ」が醸成されていきます。つねにフレッシュな雰囲気を醸しだしていないサイトには近寄りがたいものなのです。
タスク2:情報発信できるネタを定期的に企画しよう
そしてイベントやキャンペーンを実践しましたら、メルマガやソーシャルで拡散しましょう。
タスク3:メルマガやソーシャルなどプッシュ媒体でPRしよう
ネタさえ決まれば、あとはライターやカメラマン、デザイナーなどをアサインするだけです。オウンドメディア担当者は、更新の中央にいるべきであり、その企画によって価値を伝えることが重要です。
ネタ作りのさいにもGoogleアナリティクスを毎日チェックし、記事の反響や訪問キーワードなどをライター陣と共有します。そうすることで、ユーザーの求める内容を考えるヒントになります。
タスク4:Googleアナリティクスを見て反響を共有しよう
※過去記事:第5回 Googleアナリティクスによるコンテンツの分析効率化テクニック
理由3:集客
SEOにおいて検索結果の順位は、数百にも及ぶアルゴリズムにより決定され、つねに変動しています。しかし、上位に表示されているサイトの多くは定期的に更新がなされています。サイト自体が定期的に更新しているサイトですよ、とシグナルを送ることで、良い影響が出てくるものと考えられています。
Google Search Consoleに更新が伝わるよう、必ず設定し、定期的に情報を追加・更新してください。どれくらいの頻度が良いとは言えませんが、できれば決まった曜日に定期的に追加すると良いでしょう。そうしますと、Googleだけでなく、読者も「火曜日に見に行こう」とリピートしやすくなります。
※過去記事:第4回 オウンドメディアで情報発信前に準備すること
タスク5: 最低でも週1の記事追加をしよう
参考:記事追加の費用
記事作成は、クラウドソーシングを使って体験談的なものなどであれば500文字で数百円などから手配できます。また、ソーシャルなどでの大量の拡散を狙って、人気プロダクションに依頼しますと50万円など、ほんとうにいろいろです。
最近では、CMS(コンテンツ管理に特化したサーバーシステム)などシステムと定期更新も含めた総合的なコンテンツ・マーケティングサービスなどもありますので、予算やリソースに応じて検討しましょう。
いずれも重要なのは、目標を達成するためにそれらが本当に重要な施策なのか、つねに軌道修正しながら進むことです。
※過去記事:第3回 オウンドメディアの運営目標を考える
記事追加のためのリソース確保
以下にライティングなどのリソースを確保するための情報源をまとめます。必ずお試しなど調査をする予算を確保しておきましょう。社内で記事作成していてもリスクに備え外部パートナーと伴走してください。
タスク6: 外部パートナーからも投稿してもらおう
1.クラウドソーシング
・ ランサーズ
・ クラウドワークス
2.ライティングサービス
3.PRコンテンツ作成
4.コンテンツ総合サービス
上記以外にも多くの企業が関連サービスを展開しています。ぜひ、いろいろと検索したり、試したりして良きパートナーを見つけてください。
運営の未来
オウンドメディアを運営し、定期的な記事追加や更新がまわってきますと、徐々に集客も増えてくるはずです。最低でも、4半期ごとに軌道修正や見込み予測を検討する戦略見直しを行いましょう。
タスク6: 四半期ごとに評価と目標見直しをしよう
3ヶ月も運営しますと、ある程度の知見がたまってくるはずです。どのような記事が、人気がでやすいのか、本家のサイトへの送客に貢献するテーマは?ネタ集めのコツなどを吟味しましょう。
そうするなかで限界や、新しい展開も見えてくるはずです。集客が増えてきますと、新しい気づきも得られるため、柔軟な運営をするほうが長続きするはずです。長期間オウンドメディア運営をしているサイトの事例をご紹介します。そしてそれぞれのKPI(目標)を考えてみてください。
おそらく本家サイトへの集客といったシンプルな目標だけでは語れないことがわかるでしょう。ある程度のロードマップは必要ですが、オウンドメディア運営は、つねに柔軟に考えて進めていけるところも魅力の一つと言えます。
ケース1:広告モデル
Web制作会社であるLIGが始めたブログは、瞬く間に人気となり、今ではそれ自体で広告枠をもつなど、メディアとしての成長を遂げています。もちろん、現在でもブログ経由での受注はあると思われますが、それでも圧倒的なアクセス数を集められるようになりますと、オウンドメディア自身が収益を上げる、という方向性もある得るわけです。
ケース2:コミニュケーション
ストーリー: 日本コカ・コーラ株式会社 Coca-Cola Journey
日本コカコーラでは、サイト自体がすでに会員性サイトとして運営されており、コカコーラのある人生を提案する交流の場となっています。上記コーナーでは、定期的にコンテンツが投稿されますが、SEO対策などではなく、顧客満足度向上のための上質な内容を提供しています。
ケース3:ビッグワード
徹底的に密度の濃い関連情報を発信し続け、SEO対策を徹底することで、一般的な検索ワード(ビッグワード)を狙います。徹底した構造化や内部対策をし、本サービスへの集客やリーチ獲得を目指します。
コンテンツの質とともに、Googleの最新SEOをキャッチアップするなど、技術面も重視する運営を行います。
ブランディングの最前線をになうオウンドメディア
参考:島忠発行情報誌「パコマ」
6回にわたってオウンドメディアの立ち上げから運営まで解説してきました。
オウンドメディアといいますと難しいイメージを持たれる方も多かったかもしれません。しかし、肩肘を貼る必要はなくユーザーに役立つ記事やコンテンツを提供する、そしてその本質は、企業活動の企画運営にほかならない、という当たり前のことにお気づきいただけたかと思います。
筆者としては、なるべく具体的に書くことで不安を少しでも払拭できればという思いで書いてきました。いかがでしたでしょうか。
オウンドメディア運営で唯一気をつけるべきはブランディングです。オウンドメディアが集客に役立つどころか、本業の足をひっぱることは絶対にあってはいけません。上図のように顧客をファン化しブランディングするツールとなるべきなのです。情報提供や交流によりニーズを生み出す、そんな存在で居続ければ自然とアクセス数はついてくるものです。シグナルはブランドワードでの検索流入が増えてくるかどうかです。
タスク7:Googleアナリティクスでブランドワード流入の増減をチェックしよう
集客>キャンペーン>オーガニック検索キーワード「フィルタ絞込」
ブランドワードは、どんな展開になったとしても企業活動を助けてくれる一助となります。ぜひ定期チェックしてください。成長するメディア運営は本当にやりがいがありますよ。ユーザーと製品、そして社会の役に立つオウンドメディアを、ぜひ作って下さい。
ご愛読ありがとうございました。