kintoneアプリストアから社員名簿アプリを作成する
Excelからkintoneへの移し替えにあたって
社内のExcelシステムのどれからkintoneに移し替えるべきか。魚住さんと清水さんは考えました。その結果、まずは社員名簿を作ってみることにしました。魚住さんと清水さんは話し合いながら、作業を進めていきます。
kintoneはExcelと相性が良いです。なのでkintoneに慣れるためには、Excelで作っている名簿や台帳をkintoneに移し替える事から始める事をお勧めします。魚住さん達のように。いきなりkintoneで作り始めると迷子になるかもしれません。また、kintoneが優れている点の一つは、アプリの改修が簡単ということです。プログラム要らずで簡単に作ったアプリを直せるのです。今までの基幹システムは、システム全体を構築し、個別の機能を設計し、というプロセスが欠かせません。しかし、kintoneはそのような手順が不要です。気軽にアプリが作れます。
そのため魚住さんたちには、株式会社アクアビットの全てのExcelシステムを棚卸して分析する必要はありません。そういったシステム構築の仰々しい手順は不要なのです。まずは出来るところから手を付ける。こういったアプローチでシステムが作れてしまうのは、kintoneならでは利点といえるでしょう。そういった意味でも、まずは社員名簿を作ってみることから始めた魚住さん達は正しいと言えます。
魚住さんは、社内でExcelの達人として一目置かれています。関数は一通り。マクロもある程度なら作ることが出来ます。
Excelにはある程度使いこなすと見えてくる限界があります。Excelもオールマイティではありません。実は魚住さんは、株式会社アクアビットに入社する前は別の上場企業で働いていました。その企業ではデータの集計オペレーションを担当していたのですが、Excelの限界を直に感じてきました。
Excelの限界とは、ファイル単位で管理するExcelはファイル数が増えれば増えるほど管理が大変になること。ファイルの同時編集に不自由があること。編集履歴の管理がしにくいこと、個人個人でマクロや関数を追加編集出来るため、仕様を管理しにくくなること、関数を使いすぎると速度が急に遅くなること、など。
魚住さんは、早速kintoneにログインしました。昨日一度試したのでもう大丈夫です。
アプリの作成
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ログインしたら最初に出てくる画面、右下に「すべてのアプリ」ってあるよね~。この右にある作成を押したらなんかできそう。
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私もそう思います。
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あ、押したらこんなの出てきた。
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ボタンが5つもあるけど、どれを選べばいいと思う?
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一番上から見ていけばいいのではないでしょうか。「アプリストアから選ぶ」から試してみれば・・・・・・
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なるほど!ポチッと行って見るね!あ、出てきた。
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なるほど、左側にずらっと用途別に分かれているのかぁ。これは見つけやすい!しかも、総務・人事ってのがあるねぇ。これもクリック・・・・と・・・社員名簿・・・社員名簿・あ、あった!やっぱりあるのね。流石!
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親切ですね〜♪ 社員名簿以外にも、沢山あるじゃないですか。
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あとで他のも見てみようよ♪
魚住さんと清水さんは、「アプリストアから選ぶ」から、目的の社員名簿のアプリを見つけました。画像にも出ているとおり、ここには、社員名簿以外にも業務に効くさまざまなアプリが出番を待って待機しています。これらのアプリは、題名通りの機能が最初から設定されています。ただでさえ簡単なkintoneアプリ作成の手間をさらに省いてくれるのですからうれしいですよね。「アプリストア」という名前ではありますが、ここに並んでいるアプリのほとんどは無償で使用できます(試用期間が終わればkintoneの基本料金はもちろん必要ですが)。
さて、早速使用を開始してみましょう。
Excel社員名簿はkintoneに移せるか?
リストの社員名簿をクリックすると、社員名簿のアプリの説明が出てきます。
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ふむふむ・・・こういう画面になるのね。リストと詳細画面の組み合わせか。これ、Excelで同じように作ろうと思ったら、結構手間が掛かるのよね~。分かる?
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うーん、リストのシートと一人一人のシートを別に作らなくてはいけないからですか?
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それもそうね。それだとシートの枚数が社員の数だけ沢山になってしまうよね。うちの場合は、リストのシートと詳細のシートを一枚ずつ用意しておいて、詳細シートからリストを呼び出すようにしているの。こういう感じに・・・
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これが左の一覧シートね。基本的な情報はほとんど出ているわ。で、次に詳細シート。
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こういうの見たことあります。青いセルの番号を変えると、表示が切り替わるんですよね。
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そう。まだあまり使っていないけどね。
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この間お話しに上がったvlookup?の関数を使うとこういうことが出来るんですね。
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kintoneの画面も同じような仕組みなのかしら。すこーし私にとってなじみやすい画面構成みたいね。なんか理解できそう。
魚住さんにとってkintoneの画面は馴染みやすいものだったようです。kintoneはこのようにデータの集まりと詳細画面の組み合わせで出来ています。これは他のkintoneアプリでもそうです。実は魚住さんが作ったExcelの社員名簿はデータを扱うアプリケーションの基本形をなぞっています。大企業の本格的なシステムも大体は同じような仕組みとなっています。データ、つまりレコードの集まりである一覧と、そのデータを一件ずつ表示させるフォームの組み合わせです。
ここで、まだ魚住さんたちは作っていませんが、社員名簿の大体のイメージを掲げてみます。上がレコード一覧。下がフォームです。
kintoneがレコード一覧とフォームで出来ていることがお分かり頂けたでしょうか。他にもいろいろな機能はkintoneにはあるのですが、まずはこの2点からなると覚えて頂ければ問題ないです。
では、魚住さんたちの会話に戻るとします。
kintone社員名簿の作成開始
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じゃあ、社員名簿追加してみるね。
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はい。
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「このアプリを追加」ボタンをクリック・・・と。あ、なんか聞いてきた。「追加」でよいよね。えい!
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あ、出来たみたいですよ。最初の画面に戻って、吹き出しでアプリが追加されました、って出てきています。アイコンも追加されているみたいだし。アイコンを押してみればよいのではないですか?
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そうね。いってみよー!ぽちっと。
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あ、開いた。
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出来たけど・・・さみしい。ここにデータを打ち込んでいかなきゃならないのよね・・・多分csvの読み込み機能とかあるんだろうけど、慣れるためにも打ち込んでみますか。
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私も手伝います!
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新しいレコードを追加するボタンは・・・この”+”のボタンかな?ぽち!
kintone社員名簿のフォーム入力
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あ、入力画面が開きましたね。ここに入れていくみたいです♪
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マッハで入れてみるね。えい!かかかっかかかっか!と。どう?
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見事です!
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でも、日付を入れる時は / で区切るとエラーになってしまうみたい。これは覚えておかないと。
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はい!
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保存を押すとよさそうね。ほれ。できた。元の空っぽの一覧画面に戻るにはどうすれば・・・
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うーん、画面の上のほうにある社員名簿ってなんとなくリンクになっているようですよね。それ押してみればどうでしょう?
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なるほど。まずは元に戻ってみましょう。ぽち。
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あ、一覧画面が出ましたね。しかも明石社長のお名前が。でも画面に出ている項目が随分減っていますね。あんなに沢山打ち込んで頂いたのに・・・・
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うーん、数を増やす設定がどこかにあるのかもね。あとで調べてみましょう。
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続いて入力するには、”+”のボタンね。で、今度は大久保さんを打ち込みっ!
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大久保部長はお若いのになんだか古風なお名前なんですね。
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でも若いのに凄腕よ。一度だけ営業についていったけど。凄いと思った。会ったその日に社長が惚れ込んで入ってもらったんだって。
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へぇ。まだ少ししかお会いできていないんですよ。私。
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あまり社内にいない人だからねぇ。大久保さんからも社内の仕組みを何とかしてくれって話があったのよ。外出先でも色んな申請や売上の閲覧が出来るようにって。
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さて、大久保さんも保存っと。
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さて、一気に営業部5人と物流部まで打ち込んだわ。次は朝霧さん。この方は商品の倉庫の主なのよ。そんなわけで清水さん、打ち込んでみよっか。
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はい!
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打ちこんだので、保存しました。
次回は
今回はアプリストアから社員名簿アプリを作成し、Excelの社員名簿から同じ機能が実現できるかを試しながら、社員名簿アプリへのデータ入力を行いました。さて、次回の記事では社員名簿アプリの一覧についてご紹介する予定です。フォームにデータを打ち込むだけでは社員名簿とはいえません。一覧を活用して並び替えや項目の追加、表示レコードの絞込みが必要です。それらの機能を主にご紹介する予定です。簡単に並び替えや絞込みができるのもkintoneの凄さです。
魚住さん
清水さん、まずは一緒に画面で社員名簿見てみよっか。
清水さん
はい。
魚住さん
うちの社員名簿はまだ10人と少ないから、昨日も話した通り、社員名簿も基本情報とそれ以外をExcelのブックで分けて管理しているのよねー。まずは慣れるためにも基本情報だけkintoneで作ってみましょうか。
清水さん
はい、私も覚えられるよう集中します。